2026年に公開してほしい!期待の洋画7選

まとめ記事

2025年に日本公開されなかった映画たち・・・

 あっという間に2026年になってしまいましたが、今年はビッグネームによる新作の公開が数多く予定されています。スティーヴン・スピルバーグの『ディスクロージャー・デイ』、クリストファー・ノーランの『オデュッセイア』、アレハンドロ・G・イニャリトゥの『DIGGER/ディガ-』、リドリー・スコットの『The Dog Stars』などなど。さらに人気作の続編である『Dune:Part Three』や『The Adventures of Cliff Booth』も控えています。このラインナップを見る限り、2026年はとんでもない年になりそうです。

 しかしその一方で、2025年に本国で公開されながら、未だ日本での公開は果たされていない作品も多く残っています。本記事では私が26年に日本公開されなかった洋画をいくつかピックアップして紹介します。

Day of the Fight(アメリカでの公開日は2024/11/15)

画像出典:IMDb-Day Of The Fight

 俳優ジャック・ヒューストンの初監督作。スタンリー・キューブリックの初監督作品『拳闘試合の日』を原案とした映画です。

 出演は『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』のマイケル・ピット、『ドント・ルック・アップ』のロン・パールマン、『アイリッシュマン』のジョー・ペシ、『デッド・ドント・ダイ』のスティーヴ・ブシェミなど。

 原案作品である『拳闘試合の日』はボクサーのウォルター・カルティエの一日を追った短編ドキュメンタリーです。スタンリー・キューブリックが初めて作った映画であり、彼の映画人生における第一歩とも位置付けられる作品となっています(YouTubeで観れます)。まあ後の作品に表れるキューブリックらしさはそこまで感じられないのですが。

 しかしDay of the Fightはウォルター・カルティエを描いた作品ではなく、完全なるフィクションです。過去に何かをやらかして刑務所を出所したボクサーが贖罪を遠して自身の人生を見つめ直す物語のようです。

 主演のマイケル・ピットは個人的に注目している俳優です!『ファニーゲームU.S.A.』での凶悪犯役も強烈でしたが、何よりドラマ『ハンニバル』で演じたメイスン・ヴァージャーが最高でした(まあシーズン3では降板してしまいましたが)。しかし出演作品があまり多くなく、しかもその中では凡作も少なくないんですよね・・・。良い映画に出れば確実に存在感を発揮する俳優なだけに勿体ない。今作が再評価のきっかけとなっていれば良いのですが。

 それとジョー・ペシの出演にも良い意味で驚かされましたね。『アイリッシュマン』の後はもう映画には出てくれないんじゃないのかと思っていましたが、まだまだ活躍してくれるのでしょうか。

The Friend(アメリカでの公開日は2025/3/18)

画像出典:IMDb-The Friend

 シーグリッド・ヌーネスによる同名小説を映画化した作品。監督は『モンタナ・ストーリー』のスコット・マクギー&デヴィッド・シーゲル。主演は『ルース・エドガー』のナオミ・ワッツと『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』のビル・マーレイ。

 最愛の男友達を自殺で失った女性作家が、彼の遺した飼い犬を引き取る物語のようです。

 原作小説は出版されているので、先に読むこともできます。そういえばシーグリッド・ヌーネスといえば、去年にやはり彼女の小説を映画化した『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』が公開されましたね。あれもしみじみと染みる良作でした。

 ナオミ・ワッツも好きな女優なのですが、どうも最近は『エマニュエル』を始めとしてイマイチな作品が多かったような気がします。まあ出演数が多いのでその分凡作の割合も増えてしまうのかもしれません。とはいえ今作は本国での評判も上々なので、期待できそうです。


友だち (Shinchosha CREST BOOKS)

The Last Viking(デンマークでの公開日は2025/10/9)

画像出典:IMDb-Den sidste viking

 俳優マッツ・ミケルセンの最新作。監督は既にミケルセンと5度コラボレーションをしているアナス・トーマス・イェンセン。

 銀行強盗によって逮捕されたアンカーは、兄弟であるマンフレッドに盗んだ金を託してどこかに埋めるように言いつけます。しかしお金を隠した後にマンフレッドは解離性同一性障害、つまり多重人格に陥ってしまい、金のありかを思い出せなくなってしまいます・・・。

 今年は「マッツ・ミケルセン生誕60周年祭」でミケルセン主演の作品が多数上映され、イェンセン監督作品も4作(『ブレイカウェイ』、『フレッシュ・デリ』、『アダムズ・アップル、『メン&チキン』)上映されました。この調子でThe Last Vikingの日本公開も期待したいですね。

 ついでに今年公開されたマッツ・ミケルセン主演作『愛を耕す人』でもイェンセンは脚本家として参加していました。これは傑作でしたので、オススメしておきます。

The Stranger(フランスでの公開は2025/10/29)

画像出典:IMDb-L’Étranger

 アルベール・カミュの『異邦人』をフランソワ・オゾン監督が映画化。主演は『幻滅』のバンジャマン・ヴォワザン。『ポンヌフの恋人』のドニ・ラヴァンも出演しています。

 『異邦人』は過去にルキノ・ヴィスコンティ監督によってマルチェロ・マストロヤンニ主演で映画化されています。しかしヴィスコンティ監督がアラン・ドロンの起用を希望していたこともあって、監督自身も出来栄えに満足していなかったようです。実際、映画の評価は現在でもそこまで高くありません。

 そこで現代フランス映画界を代表する監督であるフランソワ・オゾンが『異邦人』を再映画化し、好評をもって迎えられました。オゾン監督はかなりコンスタントに映画を作り続けていますた、それでいて一定のクオリティを保ち続けているのですから、これは本当に凄いことです。彼は古典的不条理文学をどのように映像化したのか、非常に気になります。


異邦人(新潮文庫)

Die My Love(アメリカでの公開日は2025/11/7)

画像出典:IMDb-Die My Love

 『少年は残酷な弓を射る』、『ビューティフル・デイ』で名を成したリン・ラムジー監督の8年ぶりの新作。出演は『ドント・ルック・アップ』のジェニファー・ローレンス、『ミッキー17』のロバート・パティンソン、『エンド・オブ・ステイツ』のニック・ノルティ、『さらば愛しきアウトロー』のシシ―・スペイセクなど。

 産後うつと精神病によって結婚生活や現実との繋がりを崩壊させていく女性の物語。

 今作はこの記事で紹介した作品群の中で、私が最も期待している映画です!下の予告編をご覧になればわかると思うのですが、冷徹でざらついた映像と不自然に明るい音楽、そして前半での幸福な結婚生活と後半での崩壊とのギャップ。映画への期待値を高める素晴らしい予告編です。

 そういえばリン・ラムジー監督がメルヴィルの『白鯨』を映画化するという報道があったと思うのですが、あれはどうなってのでしょうか?観たいんですけど・・・。

The Chronology of Water(2025/12/5)

画像出典:IMDb-The Chronology Of Water

 俳優クリステン・スチュワートの長編初監督作品。Lidia Yuknavitchという著述家の回想録を基にした映画です。主演は『ファーザー』のイモ―ジェン・プーツ。

 水泳選手である主人公は記述された言葉に救いを見出していきます。そして彼女は教師、母親、そして作家となっていきます。

 あらすじだけを見るとよくあるビルドゥングス・ロマンのようにも思えます。しかしこの映画、ジャンルとしてはサイコ・スリラーに属するようです。確かに予告編からは不穏な雰囲気が感じられます。どんな映画なのかイマイチよくわからないのですが、むしろよくわからないこそ妙に気になる作品です。

Franz(トロント国際映画祭にて2025/9/5)

画像出典:IMDb-Franz

 フランツ・カフカの生涯を追った伝記映画。監督は『太陽と月の背いて』のアニエスカ・ホランド。カフカを演じるのはイダン・ヴァイス。

 実はこの作品はまだ一般公開がされていないのですが・・・、個人的にかなり気になっているので取り上げてしまいました。

 フランツ・カフカの生涯はそれなりに波乱に富んではいるのですが、それは父親との確執や多くの女性たちとの恋愛、そして仕事と創作との葛藤など、映像的にはやや地味な要素が多いです。それをどのように映像化しているのか、気になるところです。情報によればカフカの少年時代から晩年までを描くようです。2時間16分でどこまで描けているのでしょうか。

終わりに

 いくら書き続けてもきりがないので、今回は7作品に絞りました。しかし紹介しきれなかった作品にも、注目に値するものはたくさんあります。キリアン・マーフィー主演の『Small things like these』、ポール・シュレイダー監督の『Oh,Canada』、スティーヴン・キングの小説を映画化した『The Long Walk』、ダニエル・デイ=ルイスの復帰作『Anemone』、デレク・シアンフランス監督の『Roofman』、ジョディ・フォスター主演の『A Private Life』、ジム・ジャームッシュ監督の『Farther Mother Sister Brother』などなど・・・。興味をそそられるタイトルがあれば、チェックしてみてください。

 一年前も似たような記事を書いていますので、こちらもぜひご覧ください。以下の記事で取り上げた7作品の内、4作品がまだ日本公開されていません。

おまけ

 それでは最後に、日本公開が決まっている作品から一つだけ、私が最も期待している映画を一つ取り上げます。

『アン・リー /はじまりの物語』(日本での公開は2026年初夏)

画像出典:IMDb-The Testament Of Ann Lee

 18世紀に「シェーカー教団」と呼ばれるキリスト教組織を作り上げた女性アン・リーを主人公にしたミュージカル映画。

 監督は『ワールド・トゥ・カム 彼女たちの夜明け』のモナ・ファストヴォールド。脚本はファストヴォールドと『ブルータリスト』のブラディ・コーベットによる共同。

 出演は『Mank/マンク』のアマンダ・サイフリッド、『ラストナイト・イン・ソーホー』のトーマシン・マッケンジー、『ニンフォマニアック』のステイシー・マーティン、『哀れなるものたち』のクリストファー・アボット、『ナイトメア・アリー』のティム・ブレイク・ネルソンなど。

 今作の特筆すべき点は、やはり脚本にブラディ・コーベットが参加している点でしょう。何しろ彼の監督した『ブルータリスト』は、私の2025年に観た映画のベスト1だからです。歴史劇に定評のある彼ですが、今度はどんな世界を見せてくれるのでしょうか。

 さらに今作の音楽を作曲したのは、やはり『ブルータリスト』でアカデミー作曲賞を受賞したダニエル・ブランバーグです。『ブルータリスト』でのサウンドトラックは圧倒的でしたが、そんな彼がミュージカル・ナンバーを手掛けることになるとは、嬉しい驚きでした。

 キリスト教団とミュージカルという一見相容れないように思える要素を繋げた本作。どのように仕上がっているのかまるで予想ができないのですが、今から公開が楽しみです。

 そういえば『ブルータリスト』のBru-ray及びDVDは一体いつ発売されるのでしょうか。首を長くして待っているのですが・・・。

さらなるおまけ

 これで本当に最後ですが、今度は日本で公開されていない短編映画を2つ紹介します。どちらも映画ファンならまず知っているであろう名監督による作品です。

The Staggering Girl(2020/2/15)

画像出典:IMDb-The Staggering Girl

 ルカ・グァダニーノ監督の短編映画。ファッションブランドのヴァレンチノと提携を組んだ作品のようです。出演は『フランケンシュタイン』のミア・ゴス、『ブルー・ベルベット』のカイル・マクラクラン、『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』のジュリアン・ムーアなど。

 母親に会いに行くためにニューヨークからローマへ渡る女性の物語。

 グァダニーノ監督の作品では『クィア/QUEER』が素晴らしかったのですが、『アフター・ザ・ハント』がAmazonプライムでの配信で済まされてしまったのが、ちょっと勿体ないですね。(まあ本国での評判が芳しくなかったからでしょうが・・・。)現在グァダニーノ監督はOpenAI社でのCEO解任騒動を巡る新作『Artificial』を制作中です。こちらも楽しみですが、個人的には『アメリカン・サイコ』の再映画化が観たいのですが・・・。


アフター・ザ・ハント

Bleat(2022/5/6)

画像出典:IMDb-Vlihi

 ヨルゴス・ランティモス監督の短編映画。モノクロのサイレント映画のようです。彼のミューズであるエマ・ストーンが出演しています。

 ギリシャの孤島で独り、小屋の中で喪に服す女性。現実が幻想と混ざり合い、黒い欲望が映画を占めていきます。

 ランティモス監督の短編は『NIMIC/二ミック』が既に配信済みです。26年には『ブゴニア』の公開も控えています。ストリーミング配信でもいいので、何とか公開してくれませんかね・・・。サイレント映画なら日本語字幕も最小限で済むでしょうし。

 それとランティモス監督、ジャン=パトリック・マンシェットの『殺戮の天使』を映画化する報道がありました。これも気になりますね。


NIMIC/ニミック

 

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